種明かし
僕には秘密がある。
死ぬまで墓場まで持ち帰る話もある。
だけど、秘密には色々な種類がある。
ひとつに、墓場まで持ち帰る話。
これに関しては何も言わない。
誰にも話してない話が僕にもある。
ひとつは、人の評価に関する話。
僕は初対面や節目において人を評価する。
その人の見た目から言葉の端々にその人の性格、近情、生い立ちまで、勝手に確かめもしない仮説を立てる。
ひとつは、その人の尊厳に関わる秘密。
僕と数人だけが知っている誰かの秘密を他人に伝えることはない。
ただし、例外は「その人」と離れてこの先その人と関わることのない人といる時。
その種明かし、というか推察を含めた噂話をするときはわり合い楽しい。
ただ、その時間は決まって悲しい。
そういうね。
おわり。