遠く、遠く。

今日は帰省した1日でした。

緩やかに流れていく日常を穏やかに見守る中洲みたいな場所です。

18歳の時から帰る度にちょっと泣いてしまうのは、つれない日々に馴染んできたせいかもね。

 

僕が少しだけ霞んだ135号線を走ってる頃、高校の同窓会があったらしいです。

仲良かった奴らがこぞってサボったのにかこつけて、僕もサボってしまった。

帰省してノスタルジックな時間を過ごすと行きたくなるのは不思議。

 

写真を眺めたら僕の高校時代のマドンナ、福島美春ちゃんが可愛すぎて、眼を瞑れば時間が9年前に戻る。

大人しくてちっちゃくて一重瞼な美春ちゃんと僕に同じクラス以外の接点はなく、ちゃんと話したのは体育祭準備をしていた放課後一回きり。

大人びたまつ毛と健やかに育った真っ白なうなじに見惚れて、「福島さん、ずっと好きだったんだぜ」なんてみょーじすらも言えずに。

 

どんなに高いタワーからも見えないふるさとに少しの懐かしさを感じながら、か細い薬指に理由のない安心を感じながら。

 

 

おわり。

 

引用

『遠く遠く』槇原敬之

『大人になれなくて』片平里菜

『みょーじ』オレンジスパイニクラブ

『瞳』aiko

『ずっと好きだったんだぜ』斉藤和義