教師が知らなければならない【AIと未来の話】(基礎編)
こんにちは!
稲葉です。再来年から高校で公民の先生になります。
大学院では『学び合い』を研究して、生徒の一生涯の幸せを目指しています。
学部時代からビジネスの世界と哲学の世界に興味があるので、色々な視点から教育のことを発信していきたいと思います。
今回から教師という職業に就くなら、絶対に知らなければならないAIのことについて、基礎編、発展編、応用編、妄想編の4つに分けて紹介していきます。
今回は最初の基礎編です。
AIとは何か、教師はなぜAIを知らなければいけないのか、2つの視点から考えていきます。
AIとは何か。
僕は学術のルールのわからない現代っ子なので、とりあえずWikipediaの定義を載せておきます。
人工知能(じんこうちのう、英: artificial intelligence、AI)とは、「「計算(computation)」という概念と「コンピュータ(computer)」という道具を用いて「知能」を研究する計算機科学(computer science)の一分野」を指す語[1]。AI研究開発者・AIプログラマー田中潤の解説では、最低限に定義すれば「2018年現時点で人工知能とは「ディープラーニング」そのもの」であり、ごく簡単に言えば、ディープラーニングは「分類」を行っている[2]。2018年現時点では、「ディープラーニングを使ってやりたい内容が実現できれば人工知能」だとされる[3]。
AIとはArtificial Intelligenceの略称です。
日本語では人工知能と呼ばれています。
実はこのAIには、まだ全世界で共通された定義はないんですよね。
そもそもにしてディープラーニングが分からないと意味不明です(笑)
なので、わかりやすい定義として日本でAIといえばこの人!の東大教授の松尾さんが『人工知能は人間を超えるか』で示した定義を紹介します。
人工的に作られた人間のような知能
僕はこの定義がシンプルで一番しっくりきています。
ただ厳密にいうと人間の脳の構造をまねて作られたものではあるけど、人間が持つ知性とはかなり違った性質を持っています。
このあたりは次の発展編で簡単に説明したいと思います!
教師の方々に少なくとも認識していただきたいのは、AIの発展によって人間の考え方や考えることは大きく変化します。
そもそもにして50年後には人間は何も考えなくても、働かなくても生きていける時代が来るかもしれないということです。
これよりも詳しい定義や段階ごとの特徴などは本を読むか、「人工知能は人間を超えるか 要約」ってググれば出てくるので参照してみてください。
例えば、ディープラーニングとかニューラルネットワークとかチューニングテストって聞いて頭に(?)が浮かんだ方は松尾さんの本を読んでみると結構視野が広がると思います!
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)
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教師はなぜAIを知らなければいけないのか
想像してみてください。
例えば僕が教師だとして、2018年の今、高校1年生の担任になりました。
教師は生徒の一生涯の幸せを実現するために教育をデザインしなければなりません。
生徒が30歳になった時は西暦何年ですか?
生徒が40歳になった時は西暦何年ですか?
生徒が50歳、60歳、100歳になる時は西暦何年ですか?
皆さんはシンギュラリティという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
日本語では技術的特異点と呼ばれ、簡単に説明するとAIの能力が人間の能力を超える時のことを指しています。
それがいつ起こるのかは誰にも分りません。
学者によってさまざまな意見がありますが、2030年~2045年くらいが妥当な予想ではないかと思います。
2030年、生徒が27歳の時には人間が、生徒がAIに負けるかもしれないんですよ。
これは教師自身にとっても他人事ではありません。
自分は22歳なので2030年、35歳の時には教師がAIに負けるかもしれません。
米デューク大学の研究者のデビッドソンさんは「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」といっています。
英オックスフォード大学でAIを研究を研究しているオズボーンさんは「今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い」と言っています。
変化は確実に起こります。
少し古い話ですが、科学史家トーマス・クーンさんは、時代の一定の流れの中で科学革命(パラダイムシフト)が起こるという考えを示しました。
これは事実です。
直近の科学革命はパーソナルコンピューターとインターネットの普及です。
現代の仕事と高度経済成長期の仕事は明確に違っています。
僕が高度経済成長期に大学院生だったらブログを書くことなんかなく、そもそもにしてブログという概念すら生まれていなかったでしょう。
このような変化と同じレベル、もしくはそれ以上のレベルのパラダイムシフトが身近に迫っています。
未来を生きる子どもの幸せを本気で願うのなら、教師は子どもたちが生きる未来の世界を想像し続けなければなりません。
歴史は教養のない人が見てもただの点でしかありません。
しかし、教養のある人から見れば明確な線になっています。
今すでに、時代の過渡期に入っています。
おわり。